7年前より皮膚病を発症し、近医にて治療されていた。甲状腺機能低下症の診断にて、高用量の甲状腺ホルモン剤が処方されていたが、治療効果が全く認められず重篤な状態なって来たとの事であった。
初診時全身・左側面所見
左側面の所見である。全域にわたり、虫食い状の脱毛症が確認できる。皮膚の乾燥も著しい。
頚部の所見
皮膚の脱毛・色素沈着が重度に認められる。非常に疎の状態の毛である。
後肢後面・尾部の所見
重度の病変が確認される。病変の改善が全く認められないのに漫然と甲状腺ホルモンの投薬が行われていた。
1年後
明らかな病状の改善が認められる。
全身の所見
脱毛・色素沈着・皮膚の肥厚の改善を明らかに認める。
頚部の所見
後肢・尾部の所見
明らかな改善を認める。色素沈着の改善及び広範囲のおだやかな発毛も認められる。後は、時間が必要である。残念ですが長期に渡る高用量のホルモン投与により、自分の体では甲状腺ホルモンを作れなくなってしまっていた。生きるために甲状腺ホルモンを投与しなければならない。本症例は、甲状腺機能低下症ではありません!院長先生!