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日本獣医皮膚科学会認定医
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これは何と言う病気?PART30

近医にて3年前から頚部皮膚損傷の治療が行われていた。きっかけは、背部への注射によるものと思われる。刺激の強い薬品の投与により、自分で頚部を引っかく行動が重度に起ったと思われる。ドーナツ状のカラーを装着され、後肢での損傷を防御していた様だが、凄い腐敗臭が持続していた為に来院した。

頚部初診時所見

頚部初診時所見

ドーナツ状のカラーの為、首の毛がリング状に欠損しているのが確認される。頚部全周に渡って皮膚の欠損が認められる。腐敗臭が酷く皮膚はただれていた。本来ならば頚部全域への自家皮膚移植(自分の体表の別の部位から皮膚を移植する事)の適応となるが、高齢の為と栄養状態が良くないために皮膚の再生を目指す試みた。

2ヶ月後の所見

2ヶ月後の所見

裂開し腐敗臭が酷かった状態からは脱する事ができたが、頚部腹側に皮膚の再生が起こらずに線維化(皮膚の正常細胞で無い細胞で覆われている)の状態となっている。このままでは、いつまでたっても完治しない。

皮膚再生手術(局所麻酔下にて行った)

皮膚再生手術(局所麻酔下にて行った)

維化した部分を切開切除し、トリミングした(写真上)。その部位に皮膚再生の土台となる人工の生体吸収性のシートを移植した(写真下)。生体に着床する様に連日の管理を徹底した。

シート移植より3ヶ月後の所見

シート移植より3ヶ月後の所見

移植シートが着床した様子である。状態の良い土台が完成し、血行も良好である。周囲から皮膚が再生するのを助ける為、保護と保湿に努めた。

初診より約10ヶ月の所見

初診より約10ヶ月の所見

非常に良好な皮膚再生が起こっているのが確認される。後少し時間が必要である。これで、他獣医の拷問とも言える奇行から解放する事が出来た。

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